凸関数と凹関数
凸関数
凸関数 は大雑把にいうと図1のような出っぱった関数ですが、 図2のように引っ込んだ関数も凸関数に含まれます。感覚的には「上下関係なく出っぱっている関数」と考えればよいでしょう。
上に凸な関数と下に凸な関数のグラフを下に例示します。
図1 : 上に凸な関数
図2 : 下に凸な関数
(単に凸関数といった場合はこちらを指す)
上に凸な関数のグラフは「凸」という字そのものですが、紛らわしいことに、解析学では「上に」「下に」を省略して単に「凸関数」という場合は「下に凸な関数」を指しますので、注意が必要です。
定義
注目する区間 \(I\) 上で定義された関数 \(f(x)\) が、\(I\) 上の任意の異なる 2 点 \(a,b\) と \(0\leq t\leq 1\) に対して次の性質を持つとき \(f(x)\) を「上に凸な関数」といいます。 \begin{eqnarray} t f(a) + (1-t)f(b) &\leq& f(t a + (1-t)b) \label{UpwardConvex} \end{eqnarray} これは、\(a,b\) を \(t:1-t\) に内分する点を \(c\) とし、下図の \(f(a)\) と \(f(b)\) を結ぶ赤い直線を \(g(x)\) とすると、常に \(g(c)\leq f(c)\) が成り立つということであり、 \([a,b]\) の範囲内で \(f(x)\) が赤い直線の下になることはない、ということです。
図3 : 上に凸な関数の条件 \(g(c)\leq f(c)\)
「下に凸な関数」は式(\ref{UpwardConvex})の不等号の向きが逆のものをいいます。 \begin{eqnarray} t f(a) + (1-t)f(b) &\geq& f(t a + (1-t)b) \end{eqnarray}
凹関数
凹関数 は大雑把にいうと図4のような引っ込んだ関数ですが、 図5のように出っ張った関数も凹関数に含まれます。
凸関数もそうですが、出っぱっているか引っ込んでいるかは、上から見るか下から見るかで逆転しますので、前後の文脈から判断しないと混乱することがあります。
上に凹な関数と下に凹な関数のグラフを下に例示します。
図4 : 上に凹な関数
図5 : 下に凹な関数
(単に凹関数といった場合はこちらを指す)
上に凹な関数のグラフは「凹」という字そのものですが、紛らわしいことに、こちらも「上に」「下に」を省略して単に「凹関数」という場合は「下に凹な関数」を指しますので、注意が必要です。
定義
「上に凹な関数」の定義は「下に凸な関数」の定義と同じで \begin{eqnarray} t f(a) + (1-t)f(b) &\geq& f(t a + (1-t)b) \end{eqnarray} 「下に凹な関数」の定義は「上に凸な関数」の定義と同じで \begin{eqnarray} t f(a) + (1-t)f(b) &\leq& f(t a + (1-t)b) \end{eqnarray} です。