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帯域通過フィルタ (たいいきつうかふぃるた)
上下 2 つのカットオフ周波数の範囲内にある周波数成分だけを通過させ、低域と高域を遮断する働きを持つフィルタ。
代数方程式 (だいすうほうていしき)
\(x^3+2x^2+3x+2=0\) のように「多項式 = 0」の形をした方程式のこと。
1次以上の代数方程式は、必ず複素数の範囲内に解を持つことが証明されている (代数学の基本定理)。
代数方程式を数値的に解くことは意外と難しく、2次の代数方程式でさえ、単純に根の公式 \(\displaystyle\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\) で計算したのでは誤差が大きい場合がある。
多項式 (たこうしき)
\(x^3y^2+2x^2y+3xy+2\) のように「係数×変数の
単変数の多項式は \begin{eqnarray} \sum_{n=0}^N a_n x^n,\ N\lt\infty,\ \ a_N\neq 0 \end{eqnarray} の形に書くことができ (\(a_N\) 以外は 0 でもよい)、この場合の \(N\) を多項式の次数という。
畳み込み (たたみこみ)
線形時不変システムにおいて、過去の様々な時刻の入力が現在の出力に重なり合って影響する現象を「畳み込み」という。 合成積、コンボリューション (convolution) ともいう。
連続時間の因果的システムの場合、入力 \(x(t)\) に対する出力 \(y(t)\) は、\(\tau\) 秒前の入力 \(x(t-\tau)\) に重み \(h(\tau)\) が掛かったものの和として、以下の「畳み込み積分」で表される。 \begin{equation} y(t) = \int_0^\infty h(\tau) x(t-\tau) d\tau \label{yt} \end{equation} \(x(t), y(t), h(t)\) のラプラス変換をそれぞれ \(X(s), Y(s), H(s)\) とすると、式(\ref{yt})は複素周波数 \(s\)の領域で \begin{equation} Y(s)=H(s) X(s) \end{equation} のように \(H(s)\) と \(X(s)\) 積の形に書ける。
離散時間の因果的システムの場合も同様に、入力 \(x(n)\) に対する出力 \(y(n)\) は、\(m\) サンプル前の入力 \(x(n-m)\) に重み \(h(m)\) が掛かったものの総和として表される。 \begin{equation} y(n) = \sum_{m=0}^\infty h(m) x(n-m) \label{yn} \end{equation} \(x(n), y(n), h(n)\) の z 変換をそれぞれ \(X(z), Y(z), H(z)\) とすると、式(\ref{yn})も複素周波数 \(z\) の領域で \begin{equation} Y(z) = H(z) X(z) \end{equation} のように \(H(z)\) と \(X(z)\) 積の形に書ける。
単位パルス (たんいぱるす)
時刻 0 で 1、それ以外の時刻で 0 を取る離散時間信号のこと。 \begin{eqnarray} \delta(n) &=& \left\{ \begin{array}{cl} 1, & n=0 \\ 0, & その他 \end{array} \right. \end{eqnarray}
連続時間におけるインパルスの数学表現であるディラックの \(\delta\) 関数 の対応物として、ディジタル信号処理では単位パルスを「インパルス」と呼ぶことが多く、 離散時間システムでは単位パルスを入力した時の出力をインパルス応答と呼ぶ。
単位分数 (たんいぶんすう)
自然数 $n$ により $\displaystyle\frac{1}{n}$ の形に書ける分数 (有理数) のこと。