離散時間 (りさんじかん)

時間が整数で表される場合、これを離散時間という。

【参考】 時間が実数で表される場合は連続時間という。

離散フーリエ変換 (りさんふーりえへんかん)

有限な長さの離散サンプルを周期信号とみなして、そのフーリエ係数を求めること。DFT (Discrete Fourier Transform) と略す。

【注意】 フーリエ変換を離散化したものではない。

正変換 (DFT) は \begin{eqnarray} X(k) &=& \frac{1}{N} \sum_{n=0}^{N-1} x(n) e^{-i\cdot 2 \pi \frac{k n}{N}} \label{DFT1} \end{eqnarray} 逆変換 (逆 DFT) は \begin{eqnarray} x(n) &=& \sum_{k=0}^{N-1} X(k) e^{+i\cdot 2 \pi \frac{k n}{N}} \end{eqnarray} と表せる (\(e\) の肩に乗っている符号が正変換ではマイナス、逆変換ではプラスになっている点に注意)。

【参考】 ここでは正変換の方に \(\frac{1}{N}\) を付けてあるが、用途に応じて逆変換の方に付けたり、正変換・逆変換の両方に \(\frac{1}{\sqrt{N}}\) を付けることもある。
【参考】 ディラックの \(\delta\) 関数 を整数時刻 \(n=\cdots -2,-1,0,+1,+2,\cdots\) に並べた \(\delta\) 関数列を使うと、離散フーリエ変換はサンプリング周期 1 でサンプリングされた離散時間波形に対する周期 \(N\) のフーリエ級数展開であることが分かる (式(\ref{DFT1})と式(\ref{DFT2})は全く同じ)。 \begin{eqnarray} X(k)&=& \frac{1}{N}\int_{0}^N x(t) \left\{\sum_{n=-\infty}^{+\infty} \delta(t-n)\right\} e^{-i\cdot 2 \pi \frac{k t}{N}} dt \\ && 積分範囲は\ 0\ から N\ までだから \nonumber\\ &=& \frac{1}{N}\int_{0}^N x(t) \left\{\sum_{n=0}^{N-1} \delta(t-n)\right\} e^{-i\cdot 2 \pi \frac{k t}{N}} dt \\ &=& \frac{1}{N} \sum_{n=0}^{N-1} \int_{0}^N x(t) e^{-i\cdot 2 \pi \frac{k t}{N}} \delta(t-n) dt \\ &=& \frac{1}{N} \sum_{n=0}^{N-1} x(n) e^{-i\cdot 2 \pi \frac{k n}{N}} \label{DFT2} \end{eqnarray}
【参考】 \(N\) が大きな素因数を持たない場合に離散フーリエ変換の計算を劇的にスピート・アップできる、高速フーリエ変換 (FFT) というアルゴリズムが知られている。

信号が D 次元の場合の正変換は、$N = \displaystyle\prod_{d=0}^{D-1} N_d$ として \begin{eqnarray} X(k_0,k_1,\cdots k_{D-1}) &=& \frac{1}{N} \sum_{n_0=0}^{N_0-1} \sum_{n_1=0}^{N_1-1} \cdots \sum_{n_{D-1}=0}^{N_{D-1}-1} x(n_0,n_1,\cdots n_{D-1}) \cdot e^{-i\cdot 2 \pi \displaystyle\sum_{d=0}^{D-1}\frac{k_d n_d}{N_d}} \end{eqnarray} 同じく逆変換は \begin{eqnarray} x(k_0,k_1,\cdots k_{D-1}) &=& \sum_{n_0=0}^{N_0-1} \sum_{n_1=0}^{N_1-1} \cdots \sum_{n_{D-1}=0}^{N_{D-1}-1} X(n_0,n_1,\cdots n_{D-1}) \cdot e^{i\cdot 2 \pi \displaystyle\sum_{d=0}^{D-1}\frac{k_d n_d}{N_d}} \end{eqnarray}

リップル (りっぷる)

元の意味は「さざ波」とか「小さな波」だが、音響関係では「特性上の望ましくない凹凸」のこと。

リバーブ (りばーぶ)

主に人工的に作り出された残響のこと。

残響を作り出す残響付加装置も「リバーブ」と呼ばれることが多い (本来は「リバーブレータ」と呼ぶべきだが、縮めて「リバーブ」と呼ばれている)。

リバーブレータは、古くは固い壁で囲まれた残響の多い部屋のドアを開け閉めして残響量を調節する物理的な方法の他に、BBD (Bucket-Brigade Device) にフィードバックを持たせたアナログ版や、BBD をメモリに置き換えたディジタル版が使われていた。 CPU/DSP の演算性能が向上したことにより、近年ではFFTを用いて長大なインパルス応答を丸ごと畳み込むサンプリング・リバーブも多く出回っている。