て
低域通過フィルタ (ていいきつうかふぃるた)
カットオフ周波数付近から下の周波数成分だけを通過させ、高域を遮断する働きを持つフィルタ。
停留点 (ていりゅうてん)
関数の勾配がゼロ \begin{eqnarray} \boldsymbol{\nabla} f(\boldsymbol{x}) &=& \boldsymbol{0} \end{eqnarray} となる点 $\boldsymbol{x}$ のこと。
ディジタル (でぃじたる)
整数のように、とびとびの値しか取らない離散量を「ディジタル」という。「デジタル」と書かれることも多い。
音声信号の場合は、時間と音圧(または電圧)が共に離散化される。
これに対して実数のような連続値を取る量はアナログという。
ディジタル回路を流れる現実のディジタル信号はアナログな電圧(または電流)であるが、ディジタル信号が本質的にとびとびの値しか取らない性質を活かし、混入した微小なアナログ・ノイズは容易に除去可能である (誤り訂正符号を用いると、さらに強力なノイズ除去が可能になる)。
デルタ関数 (でるたかんすう)
デルタ関数 $\delta(x)$ は、大きさを持たない質点を表現するためにポール・ディラックによって導入されたもので、 \begin{eqnarray} \int_{-\infty}^{+\infty} f(x) \delta(x) dx &=& f(0) \label{delta} \end{eqnarray} という性質を持ち、ディジタル信号処理において連続時間信号と離散時間信号の橋渡しをする重要な存在である。
幅 0 で面積 1 であるためには $\delta(0)=\infty$ にならざるをえない
「↑」は、無限に上まで伸びていることを表している
伝達関数 (でんたつかんすう)
線形時不変な通常のフィルタのインパルス応答を複素周波数領域で表したものを「伝達関数」という。
因果的な連続時間システムでは、インパルス応答 $h(t)$ のラプラス変換 \begin{eqnarray} H(s) &=& \int_0^\infty h(t) e^{-st} dt,\quad s\in \mathbb{C} \label{Hs} \end{eqnarray} 因果的な離散時間システムでは、インパルス応答 $h(n)$ の z 変換 \begin{eqnarray} H(z) &=& \sum_{n=0}^\infty h(n) z^{-n},\quad z\in \mathbb{C} \label{Hz} \end{eqnarray} により計算でき、結果は多項式または有理式の形になる。
連続時間では、伝達関数 $H(s)$ のフィルタに信号 $X(s)$ を入力した時のフィルタ出力 $Y(s)$ は \begin{eqnarray} Y(s) &=& H(s) X(s) \end{eqnarray} のように $H(s)$ と $X(s)$ の積の形にできる。離散時間も同様で \begin{eqnarray} Y(z) &=& H(z) X(z) \end{eqnarray} のように積の形にできる。
転置 (てんち)
行列要素の行番号と列番号を入れ替えた行列を作ること、または入れ替えた行列のこと。
行列 $\boldsymbol{A}=(a_{ij})$ の転置は $\boldsymbol{A}^T=(a_{ji})$ と表される。
転置行列 (てんちぎょうれつ)
行列要素の行番号と列番号を入れ替えた(転置した)行列のこと。
行列 $\boldsymbol{A}=(a_{ij})$ の転置行列は $(a_{ji})$ であり、これを $\boldsymbol{A}^T$ と表す。